新卒者採用内定取消し防止(法改正)

H21/1/19~
▽新規学校卒業者の採用内定取消し防止について
 ●職業安定法施行規則の改正等

 

■概要
 採用内定取消しの防止のための取組を強化するため、

職業安定法施行規則の改正等を行い、ハローワークによる内定取消し事案の一元的把握、

事業主がハローワークに通知すべき事項の明確化を図ることにより、企業に対する指導など

内定取消し事案への迅速な対応を図るとともに、採用内定取消しの内容が厚生労働大臣の

定める場合に該当するときは、学生生徒等の適切な職業選択に資するため、

その内容をを公表することができるものとした。

■ハローワークによる内定取消し事案の一元的把握
 新規学卒者の採用内定取消しを行おうとする事業主は、あらかじめハローワーク及び

施設の長(学校の長等)通知しなければならない。

■事業主がハローワーク等に通知すべき事項の明確化
 新規学卒者の内定取消しを行おうとする事業主は、職業安定局長が定める所定の様式

(※)により、ハローワーク及び施設の長に通知しなければならない。

 ※所定の様式
  内定取消し者数、内定取消しを行わなければならない理由、内定取消しの回避のために
 検討された事項、対象学生等への説明状況、対象学生等に対する支援の内容等

■採用内定取消しを行った企業名の公表
 厚生労働大臣は、採用内定取消しの内容が、厚生労働大臣が定める場合に該当するとき

は、学生生徒等の適切な職業選択に資するよう学生生徒等に情報提供するため、

その内容を公表することができることとなる。

●厚生労働大臣が定める場合とは?
 採用内定取消しの内容が、次のいずれかに該当する場合(▲ただし、倒産により翌年度

の新規学卒者の募集・採用が行われないことが確実な場合を除く。)

1.2年度以上連続して行われたもの

2.同一年度内において10名以上の者に対して行われたもの
 (▲内定取消しの対象となった新規学卒者の安定した雇用を確保するための措置を講じ、
  これらの者の安定した雇用を速やかに確保した場合を除く。)

3.生産量その他事業活動を示す最近の指標、雇用者数その他雇用量を示す最近の指標

 等に鑑み、事業活動の縮小を余儀なくされているものとは明らかに認められないときに、

 行われたもの

4.次のいずれかに該当する事実が確認されたもの
(1)対象となった新規学卒者に対して、内定取消しを行わざるを得ない理由について

 十分な説明を行わなかったとき

(2)対象となった新規学卒者の就職先の確保に向けた支援を行わなかったとき

■青少年の雇用機会の確保等に関して事業主が適切に対処するための指針(※)

 ※雇用対策法第7条に対する措置

 △雇用対策法第7条
 第7条 事業主は、青少年が将来の産業及び社会を担う者で あることにかんがみ、

    その有する能力を正当に評価するための募集及び採用の方法の改善その他の

    雇用管理の改善並びに実践的な職業能力の開発及び向上を図るために必要な措置

    を講ずることにより、その雇用機会の確保等が図られるように努めなければならない。

●指針に採用内定に関する規定が追加された。(以下抜粋)

第2 事業主が青少年の募集及び採用に当たって講ずべき措置
 

  また、採用内定を行うに当たっては、採否の結果を明確に伝えるとともに、確実な採用

 の見通しに基づいて行うものとすること。(採用内定者に対しては、文書により

 採用の時期、採用条件及び内定の取消し事由等を明示するとともに、

 採用内定者が学校等を卒業することを採用の条件としている場合についても、

 内定時にその旨を明示するよう留意すること。)
  さらに、採用内定者について労働契約が成立したと認められる場合には、

 客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない採用内定取消しは

 無効とされることについて十分に留意し、採用内定取消しを防止するため、最大限の

 経営努力を行う等あらゆる手段を講ずること。
  また、やむを得ない事情により採用内定取消しの対象となった学校等の新規卒業予定者

 の就職先の確保について最大限の努力を行うとともに、補償等の要求には誠意をもって

 対応するものとすること。

 ※採用内定者について労働契約が成立したと認められる場合には、

  採用内定の取消しには、

  労働契約法第16条の解雇権の濫用についての規定が適用される。

 △労働契約法第16条
 第16条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない

     場合は、その権利を濫用したものとして無効とする。

 

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