▽平成23年12月~
→心理的負荷による精神障害の労災認定基準を新たに定めた。
近年、精神障害の労災請求件数が大幅に増加し、
認定の審査には平均約8.6ヵ月を要していたが、今後は、
審査の迅速化を図り、6ヵ月以内の決定を目指す。
▽認定基準のポイント
1.分かりやすい心理的負荷評価表(ストレスの強度の評価表)
2.いじめやセクシュアルハラスメントのように出来事が
繰り返されるものについては6ヵ月以内の出来事評価の例外
として、その開始時からの全ての行為を対象として 心理的負荷を評価することにした。
3.全ての事案について必要としていた精神科医の合議による判定を、
判断が難しい事案のみに限定。
■既往歴について
精神障害の既往歴やアルコール依存状況などの個体側要因については、その有無と
その内容について確認し、個体側要因がある場合には、それが発病の原因であると
いえるか、慎重に判断する。
■自殺と労災認定
業務による心理的負荷によって精神障害を発病した人が自殺を図った場合は、
精神障害によって、正常な認識や行為選択能力、自殺行為を思いとどまる
精神的な抑制力が著しく阻害されている状態に陥ったもの(故意の欠如)と推定され、
原則としてその死亡は労災認定される。
■持病の精神障害の悪化について
業務以外の心理的負荷により発病して治療が必要な状態にある精神障害が
悪化した場合は、悪化する前に業務による心理的負荷があっても、
直ちにそれが悪化の原因であるとは判断できない。
ただし、別表1の「特別な出来事」に該当する出来事があり、その後おおむね6か月以内
に精神障害が自然経過を超えて著しく悪化したと医学的に認められる場合に限り、
その「特別な出来事」による心理的負荷が悪化の原因と推認し原則として悪化した部分に
ついては労災補償の対象となる。