1.派遣、出向、転籍とは・・・。
古くは人身売買禁止の流れから、人材供給業は、許認可が必要な派遣業を除き、
原則禁止とされている。
よって、出向、転籍を業としては行う(継続的に利益を出すこと)ことはできない。
2.派遣の特徴
雇用関係は派遣元にあり、仕事の指揮命令は派遣先。よって給料は派遣元が支給する。
3.出向とは
出向には、在籍出向と転籍があります。
在籍出向では、雇用関係は出向元と出向先の両方にある。
給料は出向契約書に基づき、どちらが支給してもかまわない。
4.転籍とは、
わかりやすくいうと、今までの会社を辞め、新しい会社に入社することである。
よって、年次有給休暇や退職金等の問題も原則、 0(ゼロ)クリアと考えて問題ない。
社員を転籍させる場合には、社員は違う会社に入社することになるので、
業務命令では行えない。 必ず本人の個別同意書が必要となる。
⇔在籍出向の場合には、個別同意まで必要ではなく、*権利濫用に当たらなければ、
包括的同意(就業規則や、入社時の労働契約書)でかまわない。
*権利濫用とは、
業務上の必要性、人選の合理性、手続の正当性、著しい不利益の無いこと
の4つのうちいづれかを欠いている場合をいう。
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△コメント
派遣、出向、転籍等については雇用形態の多様化、経済不況などから、TV,新聞等を
にぎあわせているテーマである。
派遣と似てもって非なる出向、転籍についてはより慎重な、労務管理が必要となる。
監督署の調査等では、実態を問われるので、違反とならぬよう、理解と整備が必要である。