有期労働契約の雇止めに関する裁判例

★裁判例について、有期労働契約を4つのタイプに分類できる。

 

1.純粋有期契約タイプ
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 契約期間満了後も雇用関係が継続するものと期待することに合理性は認められないもの。

○事案の特徴
 ・業務内容、契約上の地位(臨時社員など)が臨時的
 ・契約当事者が期間満了により契約関係が終了すると明確に認識している
 ・更新の手続きが厳格に行われている
 ・同様の地位にある労働者について、過去に雇止めの例がある

○代表的裁判例
 亜細亜大学事件(東京地裁S63.11.25)

☆雇止めの可否
 雇止めの効力は認められる。
 原則どおり契約期間の満了によって 当然に契約関係が終了する。

2.実質無期契約タイプ
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  期間を定めない契約と実質的に異ならない状態に至っている契約であると認められたもの。

○事案の特徴
 ・業務内容が恒常的であり、更新手続きが形式的である
 ・雇用継続を期待させる使用者の言動が認められる
 ・同様の地位にある労働者について過去に雇止めの例がほとんどない

○代表的裁判例
 東芝柳町工場事件(最高裁S49.7.22)

★雇止めの可否
 ほとんどの事案で雇止めは認められていない。

3.期待保護(反復更新)タイプ
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  雇用継続への合理的な期待が認められる契約であるとされ、相当程度の反復更新の
実態が挙げられているもの。

○事案の特徴
 ・業務内容が恒常的であり、更新回数は多い
 ・業務内容が正社員と同一でない
 ・同様地位にある労働者について過去に雇止めの例がある

○代表的裁判例
 日立メディコ事件(最高裁S61.12.4)

☆雇止めの可否
 経済的事情による雇止めについては、正社員の整理解雇とは判断基準が異なる

との理由で、雇止めを認めた事案がかなり見られる。

4.期待保護(継続特約)タイプ
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  雇用継続への合理的な期待が、当初の契約締結時等から生じていると認められるもの

○事案の特徴
 ・更新回数は概して少なく、契約締結の経緯等が特殊である

○代表的裁判例
 福岡大和倉庫事件(福岡地裁H2.12.12

★雇止めの可否
 当該契約に特殊な事情等の存在を理由として雇止めを認めない事案が多い。

 

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