新型インフルエンザに感染しており医師等による指導により労働者が休業する場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないと考えられるので、休業手当を支払う必要はない。
これに対して、医師による指導等の範囲を超えて(外出自粛期間経過後など)休業させる場合には、一般的に「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当たり、休業手当を支払う必要がある。
新型インフルエンザかどうか分からない時点で、発熱などの症状があるため労働者が自主的に休む場合は、通常の病欠と同様に取り扱えば足りるものであり、病気休暇制度を活用すること等が考えられる。
一方、例えば熱が37度以上あることなど一定の症状があることのみをもって一律に労働者を休ませる措置をとる場合のように、使用者の自主的な判断で休業させる場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当たり、休業手当を支払う必要がある。
感染者と近くで仕事をしていた労働者などの濃厚接触者でも、インフルエンザ症状がない場合は職務の継続が可能となると考えられる。
職務の継続が可能である労働者について、使用者の自主的判断で休業させる場合には、一般的に「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当たり、休業手当を支払う必要がある。
ただし、大規模な集団感染が疑われるケースなどで保健所等の指導により休業させる場合については、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」には該当しないと考えられるので、休業手当を支払う必要はない。
※なお、1から3において休業手当を支払う必要がないとされる場合においても、
自宅勤務務などの方法により労働者を業務に従事させることが可能な場合において、
これを十分検討する等休業の回避について通常使用者として行うべき最善の努力を
尽くしていないと認められた場合には、「使用者の責に帰すべき事由による休業」に
該当する場合があり、休業手当の支払が必要となることがある。