▽平成27年4月1日施行
高度な専門的知識などを持つ有期雇用労働者、定年後引き続き雇用される有期雇用労働者が、その能力を有効に発揮できるよう、事業主が雇用管理に関する特別の措置を行う場合に、労働契約法18条の無期転換ルールに特例を設けた。
1.特例の対象となる労働者
① 5年を超える一定の期間内に完了することが予定されている業務に従事する、
高収入、かつ高度な専門的知識・技術・経験を持つ有期雇用労働者※1。
② 定年後に、有期契約で継続雇用される高齢者
2.特例の対象となる事業主
対象労働者に応じた適切な雇用管理の措置に関する計画について、厚生労働大臣
から認定を受けた事業主。認定には、厚生労働大臣が策定する、対象労働者に応じた
適切な雇用管理の実施に関する基本的な指針※2に照らして適切なものであることが
必要。
3.特例の具体的な内容
次の期間は無期転換申込権が発生しない。
① 1.①の労働者:一定の期間内に完了することが予定されている業務に就く期間
(上限10年)
② 1.②の労働者:定年後に引き続き雇用されている期間
▽特例対象高度専門職とは、年収1075万円以上で次のいずれかに該当する者
1.博士の学位を有する者
2.公認会計士、医師、歯科医師、獣医師、弁護士、一級建築士、税理士、薬剤師、
社会保険労務士、不動産鑑定士、技術士または弁理士
3.ITストラテジスト、アクチュアリーの資格試験に合格している者
4.特許発明の発明者、登録意匠の創作者、登録品種の育成者
5.大学卒で5年、短大・高専卒で6年、高卒で7年以上の実務経験を有する農林水産
業・鉱工業・機械・電気・建築・土木の技術者、システムエンジニア又はデザイナー
6.システムエンジニアとしての実務経験5年以上を有するシステムコンサルタント
7.国等によって知識等が優れたものであると認定され、上記1から6までに掲げる者に準ずるもの
として厚生労働省労働基準局長が認める者
▽事業主が、有期雇用特別措置法による無期転換ルールの特例対象者に関する認定を受けるに際して、特例の対象労働者に対して行うべき雇用管理に関する措置
①高度専門職関係
→以下のいずれかの雇用管理に関する措置を行うこと。
・教育訓練に係る休暇の付与
・教育訓練に係る時間の確保のための措置
・教育訓練に係る費用の助成
・業務の遂行の過程外における教育訓練の実施
・職業能力検定を受ける機会の確保
・情報の提供、相談の機会の確保等の援助
⇒「第一種計画認定・変更申請書(様式第1号)」にて管轄の労基署または労働局に申請
②継続雇用の高齢者関係
→高年齢者雇用確保措置を講じた上で、以下のいずれかの雇用管理に関する措置を行う
こと。
・高年齢者雇用安定法第11条の規定による高年齢者雇用推進者の選任
・職業能力の開発及び向上のための教育訓練の実施等
・作業施設・方法の改善
・健康管理、安全衛生の配慮
・職域の拡大
・知識、経験等を活用できる配置、処遇の推進
・賃金体系の見直し
・勤務時間制度の弾力化
⇒「第二種計画認定・変更申請書(様式第7号)」にて管轄の労基署または労働局に申請