雇用調整助成金の特例措置 FAQ
▽令和2年4月16日時点版 厚生労働省発表
■制度全般
1.雇用調整助成金は労働者個人に支給されるものですか。
A.雇用調整助成金は、休業等を行う事業主に対して支払われるものであり、労働者個人には支給されません。
2.新型コロナウイルス感染症の影響に伴う「経済上の理由」について教えてください。
A.以下のような経営環境の悪化については、経済上の理由に当たり、それによって事業活動
が縮小して休業等を行った場合は、助成対象としています。
(経済上の理由例)
・観光客のキャンセルが相次ぎ、これに伴い客数が減り売上げが減少した
・市民活動が自粛されたことにより、客数が減り売上げが減少した
・行政からの営業自粛要請を受け、自主的に休業を行い、売上げが減少した
3.従業員に新型コロナウイルスの感染者が出た場合、雇用調整助成金の対象になるか?
A.事業所内に新型コロナウイルスの感染者が発生し、感染拡大防止の観点から、事業主
が自主的に休業等を行った場合、感染者以外の者の休業手当は雇用調整助成金の対象と
なりますが、患者本人の休業手当は雇用調整助成金の対象外となります。(患者本人には、
別途、健康保険制度から傷病手当金が支給されます。)
■事業主の要件
1.事業主が雇用保険に加入していませんが、労災保険に加入していれば助成対象になりますか。
A.労災保険適用事業所であれば、緊急対応期間(4/1~6/30)中は、雇用保険被保険者とならない労働者の休業についても助成対象となります。ただし、雇用保険被保険者となる労働者を雇用しているにも関わらず未適用だった場合には、適用の手続きをしていただく必要があります。
2.対象となる風俗関連事業者の範囲を教えてください。
A.緊急対応期間分(4/1~6/30)については、労働者の生活支援の要素が特に強いことを踏まえ、風俗関連事業者も限定なく対象とすることとします。
■対象となる労働者
1.雇用保険被保険者でない方(20 時間未満の労働者)の休業も対象になりますか。
A.緊急対応期間(4/1~6/30)中の休業において、支給対象とすることとしています。
2.雇用したばかりの人や内定後、1日も勤務していない人も対象になりますか。
A.今回の特例では、このような6か月未満の労働者を休業等させた分についても助成対象となり、内定後、1 日も勤務していなかったとしても、助成金の対象となります。
3.事業所内で研修を行う場合、講師が自社の従業員でもその者も含め助成金の対象になりま
すか。
A.事業所内で行う教育訓練において、自社の従業員が講師として研修を行う場合は、その者は通常の勤務となるため、助成金の対象とはなりません。
4.生産指標の要件には該当しませんが、雇用している労働者が感染した場合、助成金の
対象になりますか。
A.社内の感染者の有無にかかわらず、生産指標要件に当てはまらない場合 は、雇用調整助成金の支給対象とはなりません。
■助成内容
1.「解雇等」の中には派遣労働者を解雇した場合も含まれますか。
A.派遣労働者を契約期間満了前に事業主都合により契約解除等した場合は、解雇等に該
当します。
■休業、休業手当
1.短時間一斉休業の要件を緩和について教えてください。
A.具体的には、以下の一定のまとまりで休業する場合も支給対象としました。
・立地が独立した部門ごとの一斉短時間休業
(例:客数の落ち込んだ店舗のみの短時間休業、製造ラインごとの短時間休業)
・常時配置が必要な者を除いての短時間休業
(例:ホテルの施設管理者等を除いた短時間休業)
・同じ勤務シフトの労働者が同じ時間帯に行う短時間休業
(例:8 時間 3 交代制を 6 時間 4 交代制にして 2 時間分を短時間休業と扱う)
2.教育訓練の対象となる訓練内容を教えてください。
A.以下の訓練も対象としました。
・接遇・マナー研修、パワハラ・セクハラ研修、メンタルヘルス研修などの職業、職務の種類を
問わず、一定の知識・ノウハウを身につける訓練
・自宅等でインターネット等を用いた片方向・双方向で実施する訓練で一定程度の技能、実務
経験、経歴のある者が講師として行う場合
3.正社員とパートの休業手当の支払率が異なる場合、どちらの支払率を用いて助成金は算出
するのでしょうか。
A.助成金の支給額の算出に当たっては、いずれか低い方の支払率を用いて算出します。
4.雇用保険被保険者でない方を対象とした「緊急雇用安定助成金」について教えてください。
A.雇用保険被保険者とならない方を対象として、失業の予防その他雇用の安定を図るため、一時的な休業(教育訓練、出向は除きます。)により労働者の雇用を維持した場合に、休業手当の一部を助成するものです。
緊急対応期間(4/1~6/1)において、事業主が労働者に対して支払った休業手当のうち、中小企業であれば 4/5、大企業であれば 2/3(解雇等を行わない場合は、9/10(中小)、3/4(大企業)を助成します。
※対象労働者 1 人当たり 8,330 円が上限です。
■手続きの流れ
1.どの程度の受給額となるのか教えてください。
A.具体的な助成額については、実施した休業の規模や支払った休業手当の額により異なります。
2.支給申請を行った後、助成金が支払われるまでにどれくらいかかりますか。
A.事業主が支給申請書を提出後、労働局において審査を行い、書類が整っている場合には、1ヶ月程度で支給決定又は不支給決定を行います。
3.支店ごとに雇用保険の適用事業所番号がある場合、支店ごとに申請が可能ですか。申請が
可能な場合、生産指標の要件は、それぞれの支店ごとに判断するのでしょうか。全ての支店の
合計の売上げが低下している必要がありますか。
A.雇用保険の適用事業所ごとに申請が可能です。この場合、生産指標要件は、支店ごとに生産指標を確認しますので、全支店の売上げの合計は必要ありません。
■提出書類
1.手続きが簡素化されると聞きました。内容を教えてください。
A.具体的には、申請書類の記載項目の削減、記載事項の省略・簡素化、添付書類は既存書類のコピーで可とするなどに取り組んでいます。
2.複数月にわたる場合、まとめて申請ができますか。
A.休業等の計画や支給申請の単位となる期間を「判定基礎期間」とよんでおり、この判定基礎
期間は 1ヶ月から3ヶ月の単位で事業主が任意で選択可能であり、複数月に渡ってまとめて
申請する事も可能です。
3.計画届は事後に提出できるのですか。支給申請書と一緒に提出してもいいですか。
A.令和2年6月30日までは休業等の計画届の事後提出が可能です。
休業を実施し、休業手当を従業員に支払った後(判定基礎期間後)に休業等計画届と支給申
請書を一緒に提出することが可能です。
4.社会保険労務士が代理申請する場合に委任状が必要ですか。
A.社会保険労務士が提出代行する場合は不要です。
5.例えば、令和2年5月1日から休業を予定している場合、どの時点の生産指標を比べればい
いですか。
A.今回の特例の場合、計画届を提出した日の前月の生産指標と前年同月の生産指標を比較し、5%以上減少していれば、助成金の対象となります。
例) 5月休業実施6月に計画届出を提出(事後)
→令和2年5月分と令和元年5月分の比較
5月休業実施5月に計画届出を提出(同時)
→令和2年4月分と平成31年4月分の比較
5月休業実施4月に計画届出を提出(事前)
→令和2年3月分と平成31年3月分の比較
6.支給限度日数(1年間で100日)とは何ですか。
A.休業等の初日から1年間で従業員1人につき100日分の休業等が支給限度日数になります。
7.休業の予定が計画届の内容から変更になりました。何か手続きは必要ですか。
A.休業計画届と休業の予定が変更になった場合について、計画の範囲内で休業日が減少した場合、変更届は必要ありません。 休業日が増えた場合は変更届を提出してください。なお、メール、FAX、郵送におり支給申請日までに提出いただければ結構です。